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Guest:ジャパンサイクルリーグ チェアマン/元F1レーサー 片山右京氏

挑戦から生まれるイノベーション【後編】
スポーツを楽しむ環境をアップデートしていくことで、よりよい社会づくりを目指すCHEERPHONE(チアホン)のメンバーが、スポーツ業界を中心にさまざまなイノベーターやリーダーの方々とのインタビューや共創型セッションを通じて新しいアイデアやこの先の未来について語り合う「CHEERTALK」。
第2弾は、ジャパンサイクルリーグ(以下、JCL)の片山右京チェアマンに「挑戦」や「イノベーション」をテーマにお話を伺った。第2弾の後編では、CHEERPHONEとの出会いや音声配信での挑戦についてお話を伺います。
左から パナソニックホールディングス株式会社 木村文香、片山右京チェアマン、パナソニックホールディングス株式会社 持田登尚雄
大切なのは失敗から学ぶこと
木村:後半はJCLさんとCHEERPHONEとの関りからお話が出来ればと思います。
まず、そもそもの出会いはスポーツ庁が主催のイノベーションリーグでしたが、JCLさんがイノベーションリーグにご参加されたのはどのような理由があったのでしょうか?
片山:基本的には、最新のスポーツテクノロジーやさまざまな新しい取り組みを知る機会としての期待からでした。最初にCHEERPHONEを含めた各プロジェクトの紹介をされた時には理解が追い付きませんでした。笑
木村:JCLさんは5つのプロジェクトのうち4件を採用されましたね。
片山:賛否両論は何にでもあると思うんです。でも、否定からは何も生まれない。まずは飛び込んでみて、失敗したとしてもそこから学ぶことが大事だと思って多くのプロジェクトを選ばせていただきました。
木村:その中の一つにCHEERPHONEがあったわけですが、改めて、CHEERPHONEを採択いただきありがとうございました。
イノベーションリーグでの取り組みとして、みなとみらいの赤レンガパークで実施されたエキシビションレースで、選手の方にCHEERPHONEの配信端末をお持ちいただき、自転車で走行中の選手の会話等を配信し、来場されたお客様に楽しんでいただきました。
これは今までに例のないコンテンツだったと思いましたが、実施されてみていかがでしたか?
「みなとみらいサイクルフェス2022」実施レポート
片山:やってみたら選手の苦しそうな息づかいが聞こえたり、ギアの切り替える音まで聞こえるなど、新しいツールであるというのは確信しました。お客様からの反応もすごく良かった。
ただ、もっと他の競技でどのように使われていて、どのようなトライがあったのかをもっと事前に知っておく必要があったのではないかと思いましたし、装着する選手も含めてどのような使い方をするのがお客様にも喜んでいただけるのかももっと議論し合うべきだったと思います。
木村:イノベーションリーグが終わった後、JCLさんの公式レースの「BANK LEAGUE」でもCHEERPHONEを導入いただき、実際に右京さんにも解説者として配信をいただきましたが、いかがでしたか?
「BANK LEAGUE」実施レポート
片山:非常に楽しかったです。ただ、もっと選手の細かな情報を入れるなど、もっとやれることがあったと改めて思いました。
木村:ただ、視聴者さんからの評判は非常によく、来場者数に対する参加率は他の競技に比べて格段に高いんですよ。現状でも面白い配信が出来ていると思いますが、右京さんの言われたようにもっとコンテンツを作りこむことでよりファンエンゲージの向上に貢献ができるのではないかと思います。
片山:最近のモータースポーツの放送はチーム無線が無いと成立しなくなっていますよね。
チームとドライバーがやりあっているのが本当に面白いんですよ。今となるとチーム無線が無いと退屈に感じるぐらいです。笑
そういう意味で、JCLのロードレースでも監督カーごとの音声配信など、まだまだやれることはたくさんあると思うし、まだまだ可能性のあるツールだと思う。

「音」には無限の想像力を引き出す力がある
木村:ありがとうございます。私たちも音声配信というツールを使って、どのような形でスポーツの発展に貢献できるのかを常々考えているのですが、音声というものが持つ可能性についてどのような可能性がありそうか伺っても良いでしょうか?
片山:音声がいいのは、聞いた人の経験値や感覚でそれぞれが画を想像する。
よく言えば、聞いた人の無限の想像力を引き出すことが出来るはず。昔のF1でいう古館さんの様に見ているもの以上の価値を音声で与えるスターを作れたら面白いと思う。
しっかりとコンテンツとして構成をしっかり組み立てる余裕もあれば、もっと多くのお客さんが聞いてくれるのではないだろうか。
木村:確かに、配信のプロやスターが居たら面白ですね。
最近はスマートスピーカーなどの普及などもあり、若い世代を中心に音声マーケティングの市場が成長していくと言われています。
片山:そうですよね。マーケティング的に考えるとレースの始まる前の待機時間などに、しっかりとそのレースを楽しむための情報をインプットできると良いですね。
行われている場所だったり、選手の情報やこれまでのレース経緯や順位争いの状況な見どころなどをインプットした上でレースが始まれば、入り口から立体的な体験が楽しめるんじゃないでしょうか。
レース中に地域の情報なども配信することでシティセールスという観点でも活用できますね。
レース中はもちろん、レース前の時間も使うことで最小限のコストや労力でレースや観戦体験を何倍も楽しむためのツールだと思います。
持田:JCLさんは自転車競技普及の文化作りをされていると思いますが、私たちも音声があることでスポーツに彩りを添えたり感動を与えられる音声配信の文化を作りたいと思っています。
片山:そうですね。それが出来るんじゃないでしょうか?
テレビでもないラジオでもない新しいメディアだと思うんですよね。ただ、スポーツを見るのではなく、笑えたり、感動したり、時には癒されたりといろいろな可能性がある。あとは聞くことでポイントがもらえたり、何かしらインセンティブを付けるとより普及しそうですよね。
スポーツを見るときにはこれがないと寂しいと思えるようになると良いですよね。
JCLのレースが始まるとついCHEERPHONEを聞いてしまう、そんな文化を作りたいですね。
木村:最後に、この「CHEERTALK 」ではみなさんで未来のアイディエーションをしています。CHEERPHONEと一緒にJCLさんが実現したい未来を想像してみましょう。
片山:面白そうですね。



木村:右京さんもJCLのみなさんもありがとうございました。
短い時間でしたけど、多くのアイデアが出ましたね。
ワクワクする未来を創るために、是非、ここで出たアイデアだけでなく、引き続きJCLさんとも何かご一緒できればと思います。
【会社概要】
一般社団法人ジャパンサイクルリーグ
JCLは、2020年に設立されたUCI国際自転車競技連合に加盟している日本籍コンチネンタルチームおよび地域密着型ロードレースチームで構成されている日本プロロードレースリーグです。
URL:https://jcleague.jp/
JCL TEAM UKYO:https://jcl-team-ukyo.jp/
日本初プロジャパンサイクルリーグ「JCL」のトップ選手が集結したチーム
